私は先ほどの記事でフット・サルのイベントが、はじめは個人の遊びからそれが拡大したことを書きました。企業やメディアは、まず自身の保身を図ります。イベントや遊びを扱う場合、そこで利用されるオブジェクトの製作者へ利用許諾を得ることから始まり。各担当責任者を決め、万時に恙無く事が運ぶ様に進めるため非常に時間が掛かります。
Web世界ではOSやセキュリティー・ソフトでさえ完全なものは存在しません。また製作者もリリースの際に、それが完全ではないことを自覚しています。アップデートを重ねより完全に近いものへと努力はしますが、全てが先行有利です。
言葉を悪く言えば、「先にやった者勝ち。」
第6話。一番必要とされたのは、ユーザー目線だった2。
フット・サルの成功で、私と宝島はセカンドライフ日本人コミュニティーの中で一定の評価を得ます。SIMオーナーや企業、現実世界の団体などから共同イベントのお誘いを多く頂ました。
お花見ダンスパーティー・WebSig24/7のセミナー2元中継・湘南SIM江ノ電開通記念イベント・そして最大ヒットとなる仮想空間のマラソン大会開催。
SIMオーナーにとっては、SIMへのアクセスの増加が期待でき、宝島にとっては遊び場所の無料提供を受ける形で、これらを大いに楽しみました。
宝島会員になると、こういったSIMでオブジェクトの製作が自由に行えます。また、場合によってはスクリプトの動作テストさえ行えたのです。これはクリエーターにとっては、またとない機会でした。
また私自身がPC初心者だったので、もしかしたら私と同じ疑問や問題を抱える人も居るかもしれない。といった徹底したユーザー目線だったのです。ですから、あくまでも共同イベントでは、主催者の側には立たなかった。お手伝いに徹しました。
もちろん、多くの協力者がいたから出来たことです。人気SIMの中央に立ってサンドイッチマン(イベント広告)をしてくれた友人もいました。
話の順序から言うとマラソン大会です。これもFreeBoxで私が見つけた自転車が発端でした。アバターの走る速度程度で、SIMを一つ一つ観光するにはいい乗り物でした。そこでツール・ド・マグスルというイベントを思いつきます。時期的にマグスルという企業が、9個のSIM郡を正方形に並べ山手線を模した時だったので、その外周を回ろうと言う実験です。企業としてもSIMの負荷テストになり一石二鳥でした。
宝島のグループチャットで、
「面白い乗り物見つけたから、ちょっと遊んでみませんか?」と呼びかけると、すぐに数人が集まりました。
色々試して、
「これでツール・ド・マグスルやりたいんだけどどう思う?」と聞きました。
すると、
「乗り物で、少なくとも何かしらのスクリプトが動くわけだから、大人数の集まりそうなイベントはSIMが負荷に耐え切れず、落ちてしまう恐れがある。」といった意見が出ます。
「いっそ自転車やめて、マラソンにしたら良いのではないか?」意見がでて。
「それ面白そうだね。」で、一同納得。
大掛かりなイベントになりそうなので、このとき初めてイベント運営を順調に行う、その役割を分かり易くするため、「宝島実行委員。」という肩書きが生まれました。
このようにイベントはマラソンに落ち着き、これを開催するわけですが大ヒットします。NHKや民放各社が挙って報道してくれました。なんといっても、仮想空間で世界初めてのマラソン大会でしたから。
当時はセカンドライフ以外でも、3Dによる仮想空間がいくつか存在していましたが、その数点がこのマラソン大会を丸ごとパクリます。こういった状況で、「宝島実行委員。」中からこんな意見が出ます。
「仮想空間のマラソンは、僕たちが知恵を出して実現したわけだから、興行権を主張したほうが良いのではないか?」
ここで初めて私は、仮想空間での興行権といった現実を認識したのです。しかし私はあえてこの興行権を持ち出すことはしませんでした。なぜかと言うと、時間の問題でいずれ誰かがやっただろうし。また私たちが仮想空間で初めてマラソンを開催したことは、当時広く知られていたのでWeb情報で、そのパクリ行為が問題視され始め、すこし可哀想だと感じていたからです。
しかし、この認識も甘かった。
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