2015年4月26日日曜日

汚点(個人の回想録)3

リンデンドルという仮想通貨に関して、これまでも書きました。どのくらいの貨幣換算価値があるのか?ここに書いておきます。
2006年から2007年にかけて、1リンデンドル=0.8~1.2円の相場で変動していました。為替レートが適応されているんです。現在はセカンドライフの人気低迷時期なので、1リンデンドル=0.7円程度のレートです。そこで大まかに、1リンデンドル=1円と理解して頂ければ、このBlogの話が分かりやすいと思います。

第3話。世界賃金格差の現実1。

今回書くのは、セカンドライフ日本人コミュニティー宝島の創設以前の話です。2006年年末から2007年の年明け正月休みの時期に、私を含め日本人の新たな参加者が増えました。
その理由はWeb情報ではありましたが、中国もしくは台湾国籍の女性アバターが、年収100万ドルいわゆるミリオンダラーの報酬を得た事が報じられたからです。

現在のtsuを書いている、他のBlogやWeb情報と同じように、稼げるWebサービスといった情報が一般的でした。私も含め多くの参加者は、どうしたら稼げるのだろう?この点に興味があります。そこで、それぞれが持っている情報や、場合によっては先輩アバターに相談して、儲かっていると言われるSIMを巡るツアーが度々行われました。

このころは、後に整備されたSIMのカテゴリー分け以前で、居住区とバトルエリア以外に明確な目的毎との色分けが行われていなっかたのです。居住区の中に、いきなりバーチャル売春宿が設置され、周囲の一般ユーザーと揉め事になると言った事が、海外のSIMでは度々起こりました。

丁度そんな時期だったので、居住区を追い出された売春宿や売春婦は、一箇所に集まれるSIMを立ち上げました。これがセカンドライフSIMのアダルトエリアの出発点です。

ツアーの中にはこのSIMも含まれ私も行ってみたのですが、バーチャルSEXにはまったく興味が無いし、デフォルトのセカンドライフアバターに、男根が装備されていない事も知っていたので、やる事が無いわけです。そこへ一人の女性アバターが声をかけて来ました。

「どこから来たんだい?」
「日本だよ。」
「ああ、自動車やゲーム、アニメで有名な国だね。あたしも日本のアニメは大好きだよ。」
「ありがとう、商売の邪魔してはいけないので、先に言っておくけど僕はお客じゃないよ。」
「ノーマルなの?あたしもだよ。気にしないで、どうせ暇だし。」
「こんな事聞くのは失礼だと思うけど、実際に儲かるの?」
「儲かるからやってるんだよ。毎晩客が付くわけではないけどね。1回1000~3000リンデンドル、気前のいい客は10000リンデンドル以上払ってくれる事もあるさ。」
「なるほど、それは効率がいい事なの?」
「1週間に3000リンデンドル稼げれば、現実の世界の仕事報酬よりずっと儲かるよ。それにね、実際に体を汚すわけじゃないだろう。」
「君もノーマルだと言っていたけど、この仕事楽しいの?」
「それは面白いさ、こんな馬鹿馬鹿しい事にお金は払うヤツがいて、そいつは興奮してるんだよ。それに、あたしはこの仕事で家計を支えなくちゃいけないんだよ。子供を大学まで行かせたいからね。」
「それは大変だね。」
「いや少しも大変じゃないよ。セカンドライフはじめて、家にずっと居られる様になったから、ベビーシッターに払っていた分も節約できるしね。・・・・あ、客からメッセージが入った。ごめん仕事に行くよ。」

彼女の言葉によると、3000リンデンドルX4週間=12000リンデンドルが、実社会の月収より効率良く稼げる報酬です。日本円で12000円程度、この報酬で子供の大学進学まで人生設計を考える事が出来る国や地域があります。

またこういった事情で、セカンドライフの売春行為をリンデン社は全面禁止しませんでした。彼女たちの生活の術を奪う事になるからです。全面禁止の変わりにアダルトエリアというSIMの概念を導入し、やがてその概念から、居住区、アカデミックエリア(学術)、スチューデント(未成年)、商業エリア、バトルエリア、環境SIMなど細かいSIMの色分けへと進んでいきます。

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